集客の相談事例(後編)|エステやネイルサロン、美容室のコンサルティング

2017年4月17日 経営戦略


 

前回、都内の激戦区で美容室を経営されているオーナー様から集客のご相談をいただき、集客から経営といった総合的なコンサルティングにてサポートしている内容の新規集客方法について触れました。
 

今回は、クライアント様が抱えるもう1つの悩み…リピーター戦略として、実際に行った新規顧客からリピーターへ育てる方法についてその一部を紹介させていただきます。
 

前回、【集客の相談内容】でクライアント様は、リピート対策について、『どのように行えばいいのかさっぱり分からない。自分が分からないから従業員への指示もできない。』といったことに加え、『ホ●ペに多額の広告費を投下するもジプシーばかり集まり、リピーターになってくれない。』といったことを仰っておりました。
 

基本、上記2つのことは、リピーターが育たないといった時によくあるフレーズです。ここで考えていただきたいのが、なぜリピーターにならないかといった点です。当方からクライアント様にこの質問をぶつけると大体決まった回答が返ってきます。
 

『ホ●ペで安いことだけを追求されている』
『そもそも、ふらつく性分…』
 

といった2つの回答がほぼほぼです。この2つの回答は、全ての責任が顧客側にあるといった形で、サロン側には何ら落ち度がないといったものです。果たして本当にそうでしょうか?
 

もちろん、安さだけを追求する顧客も実際にいます。正直なところそういった顧客に対し、リピート対策したとしても他に安いお店が出てくると簡単に浮気されてしまいます。なので、当方はそういった顧客には目もくれず、きちんとコチラ側を向いてくれる顧客に対してリピート対策をすることをススメております。
 

きちんとコチラ側を向いている顧客とは?それは上記で、『そもそも、ふらつく性分』と括られた顧客のことです。なぜ顧客はふらつくのか?このことを真剣に考えたことありますか?
 
 

顧客がふらつく理由

 
価格を追い求めていないのにジプシーとなっている顧客の意見に耳を傾ければ、自ずと答えも湧き出てきます。基本的な理由として下記のようなものがあります。
 

■上から目線

美容師は髪のプロフェッショナルといった上から目線から顧客の悩みはそっちのけで、美容師が勝手に答えを出したことを押し付ける。顧客は自分の髪の悩みを解消するためにやってきたかもしれないのに、自分の悩みを聞いてもらえなければ、顧客はそこにいる意味がありません。
 

■流れ作業感覚

作業担当が分かれすぎていて、カット担当、シャンプー担当、ブロー担当、仕上げ担当、カラー担当、パーマ担当、マッサージ担当?といった形でコロコロ担当が入れ替わることがあります。初めてきた顧客の心理では、『誰が担当?』といった気持ちになり、きちんと仕上がるのか?といった不安にもなります。これは大きいサロンじゃない場合でもよくあることです。
 

■時間管理が滅茶苦茶

まず、予約時間前に来た新規の顧客が、予約の時間になっても施術が始まらないといったことやシャンプー後にカットするまで待たされるといったことは、印象として最悪です。最初から時間管理がされず、次に行っても待たされると思われる美容室に次も行こうと思いますか?
 

■自分のことを一方的に話す

美容師の方も一生懸命に時間というか”間”を埋めるために色々と努力されていることは分かりますが、顧客に関連することではなく、顧客には関係ない美容師自身の個人的でまったく興味の湧かない話をされても顧客は共感は持てません。またこれを再来客に行った場合、同じ話が続くと再来客は『またか…』と辟易され次の予約が取れないこと間違いありません。
 

■段々扱いが雑

これは、新規顧客というより、既に何度も再来している顧客が対象となりますが、いわゆる【なぁなぁ】で仕事進められたリ、上記でも触れた時間にルーズになったりといったことです。常連客ほど丁寧に且つ緊張感をもって接しなければならないのに、『この程度なら許してくれるだろう』と勘違いして間違った対応を取ると静かにいつの間にかお店に来なくなります。
もちろん新規客も、扱われ方が雑であれば、2度とそのお店に行くことはないことは言うまでもありません。
 
 

上記をご覧なり、思い当たる節はありませんか?
 

今回のクライアント様も『こんな失礼なことは行っていないはず』と最初言われましたが、当方が臨店コンサルティングを実施したときに、流れ作業感覚以外の部類は殆ど当てはまっていました。ちなみに臨店コンサルティングとは、そのお店のOPEN時の数時間、スタッフの動きや顧客への対応状況等を確認する調査のことを指します。
 

実際は担当美容師やオーナー様がそう思っていないことでも、傍から見た時や施術を受けている顧客からすると結構当てはまることが多いです。これは、施術側と顧客側の意思のギャップが原因で、そのギャップをどこまで埋められるかが、接客業でのポイントになります。
 

上記の臨店コンサルティングの結果を経て、改善点をお知らせし、その状況を再度検証するといった形としました。
 
 

WEB対策&リピーター戦略の結果

 
今回、新規のWEB集客とリピーター育成に関わるコンサルティングを行い、約4ヵ月後の結果についてお知らせいたします。
 

 

新規のWEB集客

 
今回は、ホームページのリニューアル(独自ドメインの取得等含む)、リスティング広告運用、MEO対策といったメニューで、WEB集客のテコ入れを行いました。広告予算の関係から、ひとまずSEO対策につきましては、様子を見てから導入するかしないかを決定することとなりました。
 

■対策前(月間)
 
広告費:450,000円(※1)
WEB新規予約数:50名(※2)
客単価:8,000円
売上:400,000円
回収率:88.9%
利益:▲50,000円(赤字)
 
※1:ホ●ペのプラチナ系での掲載金額
※2:ホ●ペ予約や問い合わせ含む
 

■対策後(前年同月比月間)
 
広告費:145,000円(※1)
WEB新規予約数:40名(※2)
客単価:10,000円
売上:400,000円
回収率:275%
利益:255,000円(黒字)
 
※1:HP管理+リスティング広告(運用代行含む)
※2:予約と問い合わせ
 

 
 

のような結果となりました。新規顧客のWEB予約の絶対数は減りましたが、客単価が上がったことにより、売上金額的には同金額となりました。ここで注目は、経費となる広告費が大幅に改善していることから実質上の黒字転換となったことです。
 

また、この時点ではまだMEO対策のキーワードの上位表示が始まったばかりで、GoogleMapからの集客がまだ入っていないということからこれからMEOからの顧客上澄みも確実にあります。もちろん、MEO対策の経費がこれから計上されることになりますが、弊社の数多い実例からMEOで掛かる経費以上にWEB集客が見込めるので、黒字幅は現状よりもアップすると考えております。
 
 

 

リピーター戦略

 
今回は、スタイリストやアシスタントを含めた店舗スタッフへ大まかに、
 

・顧客の悩みにまずは耳を傾ける
・時間厳守として無理ならそこの予約は取らない
・顧客に話すのではなく話させる
・再来客にも節度を持って応対
・顧客が帰宅してからのフォロー
 

といったことを中心に上記内容の詳細アドバイスをさせていただきました。その結果、髪を切るスケジュールは顧客によって違いますが、新規顧客の次回1~2ヵ月後の再来率が対策前に比べ35%もアップしました。
 
特にここでは、何か大きな広告費が掛かっているといったことではないので、その殆どは経費が掛かっておりません。このような状況で顧客を集客出来れば、サロンとしての経営はかなり楽になりますし、経営安定化に繋がります。
 

 
 

いかがだったでしょうか?
 

2回に分けてWEB集客とリピート対策のコンサルティング実例をご紹介させていただきました。もちろんすべてのネイルサロンやエステサロン、美容室等で同じことをやっても結果が出ない場合もあります。その原因は、リサーチや分析不足だったり、ツールの間違った使い方によることが主です。
 

このようなことはご自身で行うには限界もあるかと思いますので、その際には【餅は餅屋】じゃないですが、集客を専業としている業者に相談することをお勧めいたします。

 

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