今回は、ネイルサロンやエステサロン、美容室等の店舗の独立開業後の店舗運営や集客に必要なマーケティング心理の中でも【アンカリング効果】といったものについて話していきたいと思います。
アンカリング効果とは、最初に提示された特徴や数値といった情報が印象に強く残り、そのお客様の意思決定や判断に多大な影響をおよぼす傾向のことをいいます。
お客様は、知りたい情報が充分に揃っていない時に、特定の特徴や情報の断片を重視する傾向があります。アンカリング効果のことである有名な実験結果があります。
被験者へ質問をして、回答させるというゴクゴク単純なものです。
質問A
<A-1>
国連でアフリカ諸国が占める割合は65%よりも高いかそれとも低いか?
<A-2>
では、国連でアフリカ諸国が占める割合は何パーセントか?
A-1の【65】と数字は、無作為に選んだ数字で何ら根拠のない数字で、このことは回答者も理解して状態で、A-2の具体的な数字を聞くとその平均は45%となりました。
別のグループに言っている内容は一緒ですが、少し数字を変化させた質問をしました。
質問B
<B-1>
国連でアフリカ諸国が占める割合は10%よりも高いかそれとも低いか?
<B-2>
国連でアフリカ諸国が占める割合は何パーセントか?
B-1の【10】と数字は、無作為に選んだ数字で何ら根拠のない数字で、このことは回答者も理解して状態で、B-2の具体的な数字を聞くとその平均は25%となりました。
分かり易い実験としてNHKの【助けて!きわめびと】という番組でこのアンカーリング効果の実験を脳科学で買い物力アップ レッスン1「高値の花にはトゲがある」で紹介しておりますので、ご参考までに。
上記の質問A&Bのことで何が言いたいのか?
根拠があろうがなかろうが、情報が少ない中で答えを導き出す時、最初に提示された数字が無意識に基準となり、確実に回答に影響を与え、近似な数字で回答されるということです。
これを販売といったシチュエーションで考えた場合、最初に価値判断のおおよその価格基準を設定して、その後の判断を調整します。価値判断基準を設定するための情報が充分にない状況では、最初に着目した情報や数値に判断基準に近寄る傾向にあります。
最初に提示した金額によって、後々の意思決定判断に大きな影響を及ぼします。この心理効果がアンカリング効果です。
難しく考えずにいきましょう。
・5,000円 ⇒ 2,500円
・2,500円
上記の場合だと、どちらにお得感を感じるでしょうか?勿論、前者です。『5,000円』という金額を始めに提示することで、より安さを強調できるというわけです。
ただし、アンカーリング効果は事前に充分に市場同行や価格を調べている場合、このアンカリング効果の影響は余りうけません。
例えば、スーパーに夕食のお魚を購入目的で来たものの、お肉コーナーの前で、
松坂牛特上ロース(500g)5,000円 ⇒ 2,500円!
のような表示を見た場合に、『これはお買い得だな!』といった形で、サプライズや思わぬ・・・といったことがアンカリング効果を強めるわけです。
また、アンカリング効果+数字のインパクトは、行動心理といった観点からも購買意欲を掻き立てる効果があるので、ダブルで効果が現れる可能性があります。
ただし、アンカリング効果を高めるために実体のない価格の二重表記は景品表示法に違反することになりますから、ご注意を・・・
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